プロフェショナルオーディオの雑学-3

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このページはアナログテープレコーダ
についての落書きです。
本来音は空気を振動伝わる究極のアナログ信号です。
少しでもプロツールス等のデジタルに頼らず
良いアナログ機器で製作を行なってこそ
個性あるサウンドが生まれるはずです。
予算に縛られる製作物は論外ですけど。

プロフェショナルオーディオの雑学-3
備考
これはJ37ハーフ4chモデルで、C37の2ch、H37の3chモデルがあるが、37シリーズの中では最後のモデルでもあり、STUDERの管球式テープレコーダの中で、最後のモデルでもある。のちにJ37を改造してハーフ2chや1インチ2chなどが、プライベートで作られたが、元々、37シリーズは、球らしくない冷たい音で、性能がすごすぎて球らしい音としての魅力はない。マイクで有名なM269やU67(本物のEF806Sを積んでる物)でも新品だと球のマイクのでは考えらねないほどシャープな音がします。今の人は知らないかもしれませんが、カプセルを新品にして特性の良い真空管を使うと試せますが。日本のスタジオにある8割のマイクは本来の音としては出てないのが現状です。勿論特性に合わせて同じ型番のマイクでも使いこなすのも手ですが、ここはテープレコーダのはなしでした。
2chスチューダにはA80VUとA80RCタイプが存在するが、日本ではA80VUの方が評価が高いが、海外ではRCの評価も高い。 ヘッドとアンプとの配線の距離はRCの方が大変短く音の劣化が少なく、アンプもノーマルに比べ単純な為、音の抜けの良さはRCの方が良い。(A80VUはレコーディングスタジオモデル、A80RCは放送局モデル) A80VUの方が高級観は良い但し、ヘッドルームはA80VUの方が大きい。右の画像はDINタイプのハブが付いているA80RCです。 マークレビンソンの作ったテープレコーダML-5もA80RCをベースに作られていて。昔、L.A.のチックコリアのスタジオにML-5は2台あり、実際に使ってみましたがスチューダの音でなく、まさに馬力のあるアメリカサウンドで、またそれは日本輸入されたLNP-2パネル付きのモデルではなく、メーターレスタイプでマークレビンソンのロゴパネルが付いてなかったら外からはRCと見分けがつきませんでした。ML-5のハーフインチモデルが存在してたら購入してたかもしれません。
STUDER A80VU Mark?は、プロオーディオの世界で一番使われたマシーンであろう。これは、mark?の24chワイド モデルです。マルチタイプは、Mark-?まで作られたが、2chモデルは生産終了まで、A80VUとA80RCはMark-?まであった。非常に完成度の高いマシンです。当然であるが、生産終了後、A80VUの8chマルチの走行系を利用して1インチ2chモデルもアンペックス同様作られてるが、ドライブアンプの設計が古すぎて、1インチの能力が発揮できず、アンペックスの方が売れているみたいです。この10年でヘッドの性能も上がり、昔なら1インチ2chなんて技術的に考えられなかった。
この右の画像はA800-Mark?で、A80-Mark?以降から採用されたヘッドシールドで、A80-Mark?までとは、ヘッドシールドが、大きく異なる。アンプも改善されてるが、元々A80はマルチ用の設計が古かった為、2インチテープが重くなりだした頃から走行系が追いつけなくなり、使われなくなる。456の重さ位までしか対応できない。A800が発売された後、A80用のトルク改善のモーターキットが発売されたが、あまり交換されてない。A800のロケータは、A80と同じ物で、外見は異なるが、事実上は、A80の走行系の改善マシンで、音の良かったスチューダのマルチはA800までで、後に続くA820やA827大変使いやすくなった反面VCAの多用で音は悪くなりました。
Ampexの16ch以上マルチマシーンは大変大きいMM1000から始まりMM1100、MM1200へと進みました。左の画像はMM1200とATR124でMM1200はAG440のアンプを載せてる為、音はぴか一ですが、スレーブではロックするまでに時間がかかりました。ATR124はAmpex最後のアナログマルチです。このマシーンは、大変怖いモンスターで、早送りや巻き戻しスピードが大変速く、14インチのテープでも怖いくらい早く回りそばにいると危険を感じます。音の完成度は高く、スチューダより勝ってますが、Ampexのトランスポートですので、暴走した事を考えると。
これはAria Discrete Class-A ElectronicsのA80改1インチ2chマスターレコーダとATR100ベースのマスターレコーダで、トランスポート以外は0から設計してる物で、スーパーアナログの凄さが解るマシンです。アンプがほとんど同じ為、音には殆んど差がでません。メカの信頼性ではスチューダですが、ピンチローラレスのアンペックスどちらに軍配が上がるかは判らない。A80は、12インチリールまで、ATRは14インチまで載るので長時間の使用ができる。
日本のスタジオには最近アナログテープレコーダーが無い所が大半ですし、ATRを触った事の無い人も大勢いるようです。これはAMPEX ATR-100をベースに作った1インチ2CHマスターレコーダーですが、日本では当たり前のようにトラックダウンは、プロツールスが使われている。なぜアメリカではアナログマスターレコーダが、今だに使われるのだろう、しかもハーフインチでなく、1インチであり、もはやここまでくるとテープコンプの感覚もなくひたすらスーパーアナログの音を追いかけてるようにしかみえない。昔からメカのスチューダ、音のアンペックス(アメリカ系)で、確かに動作に関しては不安が残るが、A-820番台のVCAの固まりの音よりは明らかに良い音がする。もし日本で使われない理由が、製作予算なら、悲しい。しかしアナログ全盛期に作られてた高密度テープは今では作られておらず、テープの品質も落ちた為、最近では良き時代の思い出に取っておく事の方がいいのかも。
Scully280Bは、下記のAG440シリーズの最大の欠点である、走行系が改善されたモデルで、音は当然ですがアメリカの馬力のあるサウンドで、アメリカのスタジオでは大ヒットしましたが、日本ではスカリー280シリーズは時遅し、殆んどのスタジオがスチューダに乗り換えてしまい、昔から編集作業多い日本の音楽製作では走行系の信頼される物を選ばれた事もうなずけます。
280シリーズはアンペックスAG440シリーズ同様でアンプが1chに2Uあるので、8chまでは背が高くなるだけですみますが、16chや24chではアンプを横にも並べるため、大変大きいマシーンになってしまいました。
日本ではアメリカのテープレコーダからヨーロッパのテープレコーダへと早い時期に変更された為、バタフライヘッドの1/4インチが日本では主流になり、1980年当時アメリカでは1/2インチ2chが導入されてましたが、日本ではまだプレイバックすら1/2インチ2chではできず、アメリカからきたマスターテープを4ch用のマシーンで代用した事を憶えてます。当然ですが、クオリティーは落ちます。走行系の問題から早々とヨーロッパ系のテープレコーダ(スチューダ)に移行した為、ハーフインチ2ch導入では、5年以上アメリカに遅れました。
アンペックスAG440は、Cシリーズまで生産されるが、これはAG440Bの一番有名なモデルで、音に関しては天下一です。走行系に問題があり、Cシリーズでは相当改善されたが、テープテンションのバランスが悪いのはあまり改善されなかった、Bまでは特に10インチテープの最初と最後のスピードが変わってしまう為、テープ全体では2割位使えない場所が発生する事がありました。これはテンションを弱めればスピードの誤差は改善できますが、ヘッドタッチが出ないと特性が大変悪くなる。又、右の画像にある7号テープの場合、初めて操作する人はワカメにしてしまう可能性が大変大きい。
尚、マルチトラックタイプではAG440の8ch仕様までとMM800の8chやMM1000はこのアンプケースもそのまま使われた為、MM1000は大変大きなマシーンになりました。後に続くMM1100やMM1200は回路はほぼそのままですが、このアンプケースを捨てた為、小型化に成功してます。
アンペックスAG500は、今の人はあまり知らないと思いますが、7号テープ用のポータブルタイプで手軽に持ち運びできるプロ用マーシーンで、音はAG440から荒さを取った感じで、アメリカのテープレコーダにしては上品でした。
これは3M-M23(8ch仕様まである)ですが、私の記憶では、私がアメリカ製でのプロ用2chレコーダ以外で初めて見たマシーンで、この画像のモデルは、メーターとアンプが分かれてるコンソールタイプですが、アンプとメータが一緒(アンプのセンターにメータが付いてる)のモデルでした。しかもそれはアンプ部とトランスポート部が分かれてて、ポータブルケースに入ってたと思います。クラシックのレコーディングで、アメリカからその為に日本へ2台運ばれてきて、ノイズリダクションは、ドルビーAで、1chあたり6U位あるとても大きい物でした。その時は、なぜ3Mなのか分かりませんでしたが、音は大変フラットで、クラッシックの音楽家には信頼が高かったみたいです。実際後で解かった事ですが、サーキットのパーツは全てミリタリー規格の物で、大変お金の掛かったアンプで、走行系はM56,M64やM79まで同じ作り方でした。アンペックスやスカリーの1.5倍位の値段で大変高価なマシーンでしたが、走行系をコントロールする回路に欠陥があり、最後のシリーズまで走行系は、信頼できない物でした。又、4chマシーンを2ch に変更されたマシーンを生産終了後もプライベートで作られましたが、アンプの設計が古く、まともにに録音できるのは、録音レベルが250nwb/mまで位で、テープの進化が進み、世の中から消えてく運命でした。最後のM79は1979年に生産が打ち切れます。それは3Mがデジタルテープレコーダへの移行が早かったせいだとも考えられますが、テープメーカの役割上しょうがなかったかもしれません。
尚、1972から生産されたM79最後のアナログテープマシーンはサーボコントロール制御のキャプスタンモータを搭載したのでピッチコントロールが簡単にできるようになりましたが、それまでのモデルはオーソドックスなシンクロナスモータでしたので、周波数変更機等使わないと微妙なピッチ調整ができないマルチチャンネルモデルではレコーディングで大変苦労させられた事を憶えてます。M56はLed Zeppelin, The Rolling Stones, the Who, and John Lennon らが使ってましたがやはり苦労したと思います。
これはスティーブンス821B 2chハーフインチですが、走行系は3Mの走行系を見直しピンチローラをなくし、テープスピードとテープテンションをサーボコントロールした画期的なマシンです。アンプは大変シンプルなクラスA級回路を搭載したマシンで、日本では唯一、毛利スタジオがこのマルチトラックタイプを所有してた記憶があります。音ではあきらかに欧州よりアメリカの方が良い為、アメリカの中には今でも大事に使われてるスタジオがあり、30年以上昔の物とは見えない位綺麗に使っている。 コンディションも大変良い。勿論プロツールスも使ってますが、あまりにも日本では、プロツールスに頼りすぎてる事が残念です。だれの作品を聴いても同じような音がして、個性が無くなり、ただ日本の音楽制作にはもはや必要ないのかもしれない。
これはNuvico-APD1620の24chのマルチですが、ご機嫌があまり良い時がなかった。 アメリカ系のテープレコーダ全体にいえる音はヨーロッパ系より特にオーディオアンプ部は群を抜いて良く、まだアナログの回路の設計では天才がいた時代です。 問題は殆どのアメリカのテープレコーダは走行系に問題があり、暴走したりスピードの安定が悪かったりしてました。
これは3M-M56の16ch用ロケータで、やはり時代を感じさせる。
これはDC300で有名なクラウンのCX800テープレコーダで、800シリーズも有名でしたが、初期のオタリのテープレコーダ同様、走行ノイズが大きく、側でプレイバックしながらクラッシックを聴くにはあまりにも、音はまさにアメリカサウンドで馬力のある音でした。




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