B-3,C-3,RT-3,A100シリーズ,D100シリーズ共通(1955〜1974(1975))

ビンテージハモンドの高価な買い物をする前のアドバイスです。

1.年代を関係なしにコンディションが良い事は大事です、中身と外見。
最後に生産された物でも、製造終了してから30年以上経ってる為、
手入れやオーバーホールしてない物は,100%間違いなく調子悪くなります。
逆にメンテナンスを確りやってる物は、50年以上経っても
全く問題がありません。


A. RUNスイッチを切った後、モーターが、惰力で30秒近く回れば
最高のコンディションで、最低でも 20秒近く回る事が大事です。
(OILが入って無いとすぐ止まる。これは、メンテが悪いし、
トーンホイールの軸が磨耗してる恐れがあります。但し、
スピードチェンジャーを付けてる場合は多少止まるまで早くなります)
スタート時以外の動作中にモーター音以外に
金属と金属がふれる音(カリカリ、カタカタ)が
オルガン本体から聞こえる場合、トーンジェネレーターに問題があります。
B. OILの注ぎ過ぎで、モーターの横に付いてるスキャナーのベークライトに
OILがしみて接点不良をおこし、コーラスがきちんと出ない。
(最悪の場合スキャナーをばらさないと治らない)


C.音の出ない鍵盤は無いか ドローバーを1本づつチェックしないと判らない
ので時間がかかりますが、ジェネレーターのコイルが切れてたり
鍵盤の接点が故障してると、直すのに時間とお金が大変掛かります。
D. B-3は、無理して 引きずると、木製ケースが 歪み、最悪、足が折れる。
裏ぶたの開け閉めがスムーズか、あたる個所があれば
ケースに歪みがあります。
又、表のふたの鍵盤を隠すあたりの直角につないであるつなぎ目が
ぐらついてないか、チェックしないといけません。

2. サウンドに関しては、年代であまり変わることはありませんが、
配線やキャビネットの作りは、生産終了5年位前からの物は、あまり良くありません。
線材が単線なりドローバーにつながる線は動く為、
線が折れやすく接合部分がとれやすい。
キャビネットの材質(木)が悪くなりとめネジがぐずぐずになりやすい。
手で持てるキャビネットの裏ぶたの重さも良き時代の物とは違い、
最後の頃に製作された物は、軽いので比較すると分かります。
(アメリカではリペアーが盛んで、キャビネットを全部交換してる物もあり、
最近入ってくる並行物には交換されてる場合もあるので要注意、
けして並行輸入の物が悪いと言うわけではない)
メカに関しては手入れさえしてれば、
年式は関係なく壊れる物でないので年代は関係ありません。



良き時代のハモンドを簡単に見分ける方法は、ドローバーにフィート番号が、
記載されて無いタイプを選ぶ。

できれば上下鍵盤の間にHAMMNDOの文字が小さいタイプで
Hのマークが付いてないタイプを選ぶと良い。

上記2件をクリヤするのは1965年位までに製造された物です。
これはあくまでも個人的な選び方です。

1965年頃からトーンホイール方式以外のモデルが出てきて、
ハモンドが手間とコストのかかるトーンホイール方式から別の方式に移行しはじめ、
製造がだんだん雑になっていったからです。

3、どんなに外見が綺麗でも1970年以降の物は、
当たり外れが、あるので注意が必要です。
ドローバーにフィート番号が記載されて無いタイプは、
ドローバーの位置によっては音が出ない場所があり、
それを嫌がる人は、ドローバーにフィート番号が、
記載されてるタイプを選んだ方が好いでしょう。
(B-3、C-3では一部を除く6桁のシリアルの物1968年後半頃以降の製造)
Hのマークが付いてるタイプは1965年頃からで、
生産終了まで同じデザインです。
又、1965年以降は、トーンジェネレーターに使われてるネットワーク用コンデンサーが
1964年頃までの物とは違う為、多少サウンドが違います。

外見の変化
上記でも書きましたが、マークとドローバーのデザイン以外では、
電源スイッチの所に電源用パイロットランプが1961年から付くように為りました。
それ以前の物1955年から1960年までの物には
電源用パイロットランプが付いてません。

1961年までのヴィブラートのつまみと1962年以降のつまみは、
デザインが変わりました。

B-3,C-3の鍵盤サイドスペースが初期の物は、
ボディーカラーと一緒の木製でしたが、
1960年頃から黒のプラスチックに変わりました。

C-3は、1957年以前と1958年以降とでは
ボディーとイスのデザインが異なります。

(デザインですので好き嫌いはありますが、1955年から1957年までの物は
それ以前に出されてたCシリーズ伝統のデザインを引き継いでます。)
左側の画像が1957年までの物で、右側の画像は、1958年以降のモデルです。
サイドのデザインが違います。

4、購入するなら1955年から1968年前半頃までの
コンディションの良い物を選べばベストです。
それ以降のモデルは、木の材質がだんだん悪くなります。
尚、B−3等は、50Hz用と60Hz用がありますので
レコーディングやコンサートでの使用等でピッチをいじらない限り、
使う地域の物を選んだ方がよりベストです。
勿論、サイクルチェンジャーやスピードチェンジャーを使う事が
いけない訳ではありません。
家庭で使う場合、シンプルな方が良いからです。

5、良い音で演奏だけを目的にしてる方は、上記と選択方法は同じですが、
A-100シリーズを奨めます(アンプとスピーカーが入ってるタイプ)
メカはB-3等と同じですので、A-105シリーズを除けば
比較的には安く購入できます。
(A-105は、C-3にアンプとスピーカーが付いてるタイプ。)
A-100はアメリカではB-3の半額以下で、
程度の良い物が購入できます。(レスリーも付いて)
又、A-100シリーズは、A-105を除き鍵盤を隠すふたが付いてません。
サウンドでは、C-3と122RVよりA-100シリーズと122の方が音が良い。

RT-3を探されてる方は、D-100シリーズと現在ではあまり値段が、変わらない為、
(アンプとスピーカーが入ってるタイプ)
D-100シリーズを購入された方が良いかもしれません。
一般的にはD-152ですが、リバーブがPR-40トーンキャビネットの物と
同じ物が入ってますのでレスリー122と組み合わせるとお得です。
PR-40のスペースだけ部屋を広く使えると思います。
(A-100シリーズのリバーブとは違います。)
D-100シリーズは、但し、とても重いので、移動は大変ですし、探すのも大変です。

B-3,C-3,RT-3は、122とPR-40とで鳴らせば、最高です。

レスリーについて
122と147は、アンプ以外も多少違います、147のアンプだけ122用にしても、
年式によって122に為らないモデルもありますので注意して下さい。
RV仕様(リバーブ付きモデル)も同じです。
この事は142と145でも同じ考え方です。(122,147の背の低いタイプ)

122と外見が同じ22Hという物が在りますが122はファーストとスローですが、
22Hはファーストとストップです。122が出る前の物で、音は良いのですが、
注意が必要です。(22Hの音の方が好きな人もいます。)
RVタイプのリバーブは、PR-40とは比較には為りませんが、簡易的には良いでしょう。

PR-40について
PR-40のリバーブは、122RVのりバーブとは比較に為らない位素晴らしいですが、
実際に音を聴いて、
コンディションの良いものを購入を奨めます。
オプションだった裏ぶたが付いてる物をできるだけ探した方が良いでしょう。
注意、
デザイン的にはPR-40の背の高いイメージのHR-40というモデルが在りますが、
今ではリバーブのクリスタルピックアップ(湿気に弱い)が故障した場合、
直す事ができない為、
現在コンディションが良くてもHR-40は手を出さない方が良いと思います。

他の機種でもトーンホイール方式のハモンドに限りますが、
ご質問があれは当方で判る限りお答えします。

上記に書いた事は自分の経験から学んだ事ですので参考になれば幸いです。


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