NEVE BA640 Power Amplifier(Output Amplifier)
改善計画(Improvement)



BA640はBA340やBA440の後に作られたハイブリッドタイプのオペアンプです。
33609にも搭載されてる事でも有名です。
BA340やBA440とも互換性がありますので予備としても使えます。



BA340やBA440は完全なディスクリートの為、部品全体で独特の音色が決まってきますが、
BA640は、ハイブリッドタイプの為、部品交換してもわりかし音色に影響が少なく、扱いやすいです。
33609JDにはBA640でなくディスクリートのBA340Cが使われてますが、
良い悪いは別としてBA340とBA340Cでは音の違いが解ります。
API2520昔と今の物ではやはり違うのと同じです。
BA640は、音は良いので、時間が経てば必ず行うRecapだけで使う手もあります。
最低でも3つのタンタルは交換した方が善いと思います。
この作業は全ての電気製品にいえる事で、ケミコンは特に寿命があります。
タンタルは壊れてからですと大変です。
セラミックは熱を加えるとロウが溶けますが、
そのロウがなくなると乾燥して駄目になりますので扱いには注意がいります。
この手のオペアンプを使ったビンテージ品は動いていれば良いのではなく
定期的にRecapして始めてプロが使う物になります。
ショップやオークションで購入される時にオーバーホール等、
明記されてない場合、確認が必要です。
よく音が変わるとか、オリジナルでないとか言われますが、
飾って楽しむならともかく、コンディションを保つ事が一番大事な事です。
音響機器は維持費だけでも馬鹿になりませんが、
普段から早めのオーバーホールにより少しでも出費が少なくなるように 心がけも大事です。
しかし、最近では部品も選べる物が少なくなり、音の事で良い悪いなど言える時代もあと何年あるか解りません。


このオペアンプをオリジナルのNEVE上で使うのでなく別の目的で使う場合
せっかくRecapするならハイボルテージ化する手があります。
BA640上に載ってるOPアンプはNE5534かTDA1034Bですので、
その電圧の上限で使う方法です。
タンタルの耐圧の高い物に交換してしまえば、たやすくOPアンプの高性能化が可能です。
少々電圧を上げても終段周りの値は変更しなくても使えます。
但し、その作業はリスクも伴いますので、よく理解した上で行って下さい。
タンタルは高価ですけど、どうせ交換するなら高電圧でも使えるように変更しとくと
通常電圧で使用しても壊れにくくなるのも確かです。


これからは音色の改善について。
BA440に比べるとBA640はクリーンなイメージな為、
モールドからキャンタイプへの交換をする事で
より良いイメージに変化します。
但し、NE5534やTDA1034Bのキャンタイプは今では製造してませんので、
入手が大変ですし、大変高価になってます。
下記はタンタル交換とキャンタイプにした物です。


BA340,BA440,BA640のテスト用ジグです。







BA640はチューニングするとハイグレードなオペアンプへ変わります。参考までに。


33609のマニュアルから






BA640の回路はBA784にも使われてます。
参考までに。


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